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オルフェウスの卵 (文春文庫)

鏡リュウジ  著

ファッション雑誌で占星術を中心とした執筆で大活躍の著者だが、
そのかたわらトランスパーソナル心理学系の学会での理事や
演者も務めているので、その知識は縦横無尽だ。

本書もその彼の豊富なバックボーンを生かして
ギリシャ神話をベースにしながらも
ネイティブインディアンの言い伝えや
日本をはじめとする各国のお話を通し、
神話の持つ叡智と深み、
そして現代社会に応用すべきバランス感覚が述べられている。

それはまるで鏡リュウジというソムリエによる、
上質なお話のサロンともいうべき読後感だった。

特に印象深いのはあとがきで自身のことを
「宝石のような存在」と述べている。
そのココロは「役に立たないけど価値があるもの」。

こうした一歩引いたところで、
神話というツールを使って現代人へのヒントやメッセージ、
ときに警鐘を鳴らしている本書は新鮮だった。


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