限られた時間


先日、BSジャパンで一年間、毎週放映された
「真夜中の百貨店」というTVドラマが最終回を迎えた。
基本的には、通信販売を目的としたドラマ仕立ての番組であったが、
都心のある百貨店を舞台にして、毎回心暖まる物語が展開されていた。

百貨店に住む精霊達が
真夜中にお客様をご招待し、
その人の人生を念い、心に寄り添いながら、
買い物を通してお客様にエールを送るという物語。

毎回、様々なお客様のおもてなしをしていく中で
主人公の精霊は、人間に興味を持ち始める。
「 人間ってよいものだな… 」と
そして最終回では、彼はとうとう精霊をやめて、
人間界で人間として生きていく事を決め、
新たなる人生を歩んでいく・・・
そこで物語はエンディングとなった。

百貨店の精霊は何故人間になりたかったのだろうか?
人間には、「老い」も「病」も「死」もある。
精霊の持つ不思議な力や永遠の命までも捨てて
人間になりたいと思う理由とは・・・

限られた時間でしか得る事が出来ない深い感謝や愛、
そして懸命に生きるという事・・・
そこに魅せられたのだろうか?

今この瞬間がどんなに貴重な瞬間なのか。
終わりがある事で、限られた時間が輝き出す。

普段生活をしていると
周りの人達も環境も
永遠に存在出来るものだと錯覚をしてしまう。
もちろん、頭ではこの世に永遠に生き続けられるとは
思っていないのだけれど…

しかし、人間は終わりがある世界に住んでいる。
だからこそ、だからこそ、
美しく、優しく、愛おしく、楽しく、真剣に生きられる・・・

私の日課である朝ウオーキング途中に通る近所の公園でも
桜がちらほら咲き始めた。

みごとに咲いて、
みごとに散る桜の姿が
毎年、沢山の人のこころを震わせる。

人間として生きていく事を決めた精霊が最後に
「 いのち短し~
恋せよ少女(おとめ)~♪」
とゴンドラの唄を歌って街の中に消えていった。

さぁ!私も!
今年も見事に咲いた桜の下で、
至福の時をすごしましょ~!

そう!決意と覚悟のグラスを持って!!